サブスリーのためのフォーム(着地)

サブスリーを少ない練習だけで達成しようと思えば、ランニングエコノミーを良くしなければなりません。

筋力、スタミナを効率よくつける練習をしても、その能力を効率よく発揮しなければ、後半に疲労してしまいます。

ランニングエコノミーを向上させて、少ない練習でもゴールまで駆け抜けることができるようになれば、ぐっとサブスリーも近づきます。

そのランニングエコノミーの中でも、話題として取り上げられやすいのはフォームだと思います。

 

無論、フォームにも姿勢、腕振り、腰の使い方色々な要素があるのですが、近年注目されているのは着地でしょう。

少し前にミッドフット走法がドラマ陸王で話題になりましたが、足の運び方は大きく分けるとつま先で着地するフォアフット、土踏まず当たりで着地するミッドフット、かかとで着地するヒールストライクがあります。

日本では、以前はかかとで着地をして、つま先でけるヒールストライクが良いとされてきました。

自分も子供のころは着地はかかとから、けりはつま先でと常識のように言われていました。

しかし、最近ではミッドフットやフォアフットが良いとされるようになってきており、例えば福士加代子選手はヒールストライクから、ミッドフットにフォームを変えたと言われているそうです。

 

そのように変化してきたのは端的に言えば徐々に走りの理論が進歩してきたということだと思います。

特に、トップレベルであれば少しでも良い記録を出すために様々なものが研究されています。

その中でミッドフットやフォアフットの方が記録が出るということが分かってきたということであり、特に男子選手では高速化が進む中でスピードが出やすいフォアフットの選手が増えてきたということかと思います。

しかし、トップレベルではなくサブスリーを目指すということで言えば、絶対にこれでないとだめというものではないと思います。

むしろ、自分の体力やトレーニングに合った方法であれば良いのではないでしょうか。

それよりも体幹がぶれないとか、体をそらないとか、腕と足を連動させるとか注意すべき点はほかに多くあり、話題になっているからと足運びばかり気にしているのは本末転倒だと考えます。

ですから基本的なフォームが身についているならばミッドフットでも、ヒールストライクでも良いと思います。

ただし、自分の場合は次の2つの点に注意しています。

 

1つは効率的に走るためにはなるべく着地でブレーキをかけないということ。

一般的にヒールストライクだとかかとから着地するときにスピードを殺してしまうと言われています。

これはかかとから着地することそのものよりも、体より前の方で着地してしまうので足と地面に角度がついてしまうからだと思いますが、その時に足の運びが遅いと地面をとらえたときに抵抗になりスピードを殺してしまいます。

ですから、足運びの際にはなるべく着地は前に振った足を戻して、足元に近いところで着地するようにしています。

そうすると足裏と地面の相対速度がゼロに近づくので接地をするときは、足を置くだけで、加速も減速もしない状態に近づいていきます。

そうすると着地するときに足の着く場所はかかとより土踏まずやつま先にに近づいてきますが、意識的にやっているというよりは結果的にミッドフットになっているという状態です。

そうすることでけり足で生み出したエネルギーをロスすることなく、次のけりにつなげていくことが出来ます。

 

それから、もう1つの注意している点は足の痛みです。

一般的にヒールストライクは膝、ミッドフットやフォアフットはふくらはぎやアキレス腱に負担がかかると言われています。

また、ミッドフットやフォアフットはふくらはぎに負担が大きいのでレース後半に痙攣するような場合は、見直しが必要でしょうし、逆にふくらはぎは余裕があるけど大腿部が疲れるというなら、もう少しふくらはぎを使えるようにしてもいいかもしれません。

 もちろん、足運び以外に原因があるかもしれないので、一概にこれが全部ではありませんので、まずはしっかりとしたフォームを身に着けること。

そのうえで、痛みが出ている場合の対処法としてフォームの見直しというのは考えていいのかな、と思います。

実際に、自分の場合はランニングを始めたころは膝が痛くなることが多くなったのですが、フォームがミッドフットに近くなってからはあまり痛みが出ることは少なくなりました。

 

しかし、フォームに関しては着地だけではなく全体で考える必要があると思います。

世間的に注目されるのは、今はミッドフットなので初回で取り上げましたが、それよりもまずは体幹を中心としてしっかりした走りができるようになることが大切だと思います。

「体幹」ランニング (MouRa)

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